西野監督のフォーメーションや戦術のスタイルは?サッカーの実績や評価は凄い?
ロシアワールドカップ2018で、急きょ日本代表監督としてハリルホジッチ監督からバトンを渡された西野朗(あきら)監督。
西野朗という監督は、いったいどんなサッカーの戦術やスタイルなのでしょうか?
監督業とはどの世界でもそうですが、その人物像の性格が顕著に表れる職業でもあります。
戦術ももちろんですが、西野朗という人物の性格から見えてくる戦い方も合わせて、その特徴などをまとめてみました。
西野監督のフォーメーションや戦術のスタイルは?
西野監督は、全体的なスタイルとしては、やはり「攻撃重視」という戦術をとる監督です。
ガンバ大阪で監督を務めていたときには、「超攻撃サッカー」を標榜し「3点獲られても4点獲るサッカーを目指す」として、実際にそのようなサッカーでJリーグ制覇を果たしています。
ただ、西野監督のサッカーのすべてがそのようなスタイルなのか?と言うと、そうではありません。
かの有名な「マイアミの奇跡」のアトランタオリンピックで、ブラジル代表を破った試合では、選手11人全員が守りに入った超守備的な戦いで勝利をものにしました。
これもすごい戦術だったのです。
【西野監督続投 協会で声広がる】W杯で日本代表を率いる西野朗監督が大会後も続投する可能性。コロンビア戦の「サランスクの奇跡」の手腕を高く評価し、「続投させるべき」との声が日本協会上層部で広がっているという。 https://t.co/mise748hMS
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2018年6月24日
ところで、この西野監督の代名詞ともなっている「マイアミの奇跡」って聞いたことがありますか?
少し説明しますね。
それは今からもう22年も前の、アトランタオリンピックでの試合のできごとです。
日本代表がブラジル代表をグループリーグの初戦で破ったのです。
この試合を「マイアミの奇跡」と呼び、サッカー界では今でも語り草になっています。
当時のブラジルは「オリンピックでも金メダルを!」という合言葉を元に、初めて一流のスター選手をオリンピック代表に招集して臨みました。
「ブラジルが勝って当然」という雰囲気のなか、日本代表は雨あられのようなブラジルのシュートを浴びますが、ゴールキーパーの川口能活選手の神がかった活躍によってブラジルを0点に防ぎます。
そして日本は、唯一得点した1点を守り抜いて見事勝利したのです。
当時世界中から「世紀の番狂わせ」と呼ばれ、後にこの試合を「マイアミの奇跡」と呼ぶようになったのです。
そのブラジルを破った時の監督。
それが今の西野監督なのです。
あの試合は、僕はちょうど出勤時間にあたっていて、会社を休んで見たことを今でも覚えています(笑)
だから今回のワールドカップ2018でも、西野監督にはものすごく期待していますし、コロンビアにも勝って当然だと思っています^^
西野監督の得意なフォーメーションは?
西野監督の得意なシステムは、4-2-3-1。
前代表監督であるザッケローニ監督が中心に採用していたシステムです。
この4-2-3-1は、世界で最も使われているフォーメーションです。
しかしそれでも各監督により、それぞれのポジションに使う選手の個性は出ます。
4-2-3-1は、一番監督の色が出やすいフォーメーションですね。
ただし西野監督のモットーとして「システムに選手を当てはめるのではなく、選手にシステムを当てはめたい」というのがあります。
まずは選手の能力を見極め、その上でどのような戦いに臨んでいくか?ということを中心に考える監督なのです。
僕はこのスタイルは、日本人に合っているように思います。
「日本人は忠実で勤勉だから、監督の指示に従って規則正しく戦うべきだ」という意見を言う人もいますが、僕はそうは思いません。
サッカーではそれはもう昔の話で、今の日本の代表選手はみんな自分の意志や自分のスタイルを持っています。
そんな個性あふれる選手達の自主性を重んじる、そんなスタイルの監督の方が僕は好きですね。
選手は伸び伸びとプレーができ、個性を活かすことができますから。
サッカーでもっとも熱く盛り上がるのは、選手が自分の力を信じてどんどん戦う姿勢を見せてくれるときでしょう。
監督の指示に忠実に従うのは、どこか「クラブ活動」のような雰囲気がして、プロのサッカー選手に対するリスペクト感が足りないように思います。
また西野監督は、ガンバ大阪時代に主に4-4-2や3-5-2なども多用していました。
10年間の同クラブの監督生活でも「西野朗のシステム」という固定された考え方ではなく、「今の戦力と選手の能力で、最大限の勝利の可能性を目指す」という考え方が基本にあるようです。
ただし、その「今の戦力」というもの自体を選ぶことができるのがW杯の代表監督なので、そこでどのような戦い方をどのような選手を選んで押し進めるのか?というのは、大変興味深いところです。
そんな西野監督。
選手時代は、どんなサッカー人生を歩んできたのでしょう?
選手時代の実績や評価は凄い?
西野監督の選手時代は、まず日立製作所の大型MFとして活躍し、その後指導者の道へ進んでいます。
※MF(ミッドフィルダー)とは、簡単に言えば「中盤のポジションに位置する選手」のことです。
指導者歴は以下のとおりです。
現役引退する当時はまだJリーグは発足していませんでしたので、指導者としても所属していた実業団である日立製作所がそのスタートとなっています。
1990年~1991年:日立製作所(ヘッドコーチ)
1991年~1992年:U-20日本代表監督
1994年~1996年:U-23(=オリンピック代表)日本代表監督
1997年 柏レイソル(ヘッドコーチ)
1998年~2001年:柏レイソル監督
2002年~2011年:ガンバ大阪監督
2012年5月~11月:ヴィッセル神戸監督(途中解任)
2014年~2015年 名古屋グランパス監督
西野朗 ‐ 華麗なプレースタイルの選手時代 #hitachi #reysol #GAMBAOSAKA #vissel #grampus #jfa #daihyo https://t.co/vUH9qbKjsl
— ソネット・レシピ (@sonet_recipe) 2018年5月2日
実は西野監督は、選手時代では8試合連続得点をあげるなど、大型MFとしてベストイレブンにも選出されました。
しかも得点をあげる(最前衛の)FWの選手でなくて、中盤のMFの選手なのに8試合連続で得点をあげるなんて凄いことです。
このことから分かるように、西野監督は選手の時から「攻撃」が好きで、「得点」をあげるのも得意な選手だったことが想像できますよね。
監督としてだけでなく選手としての実績も十分で、周りからの評価も高かったのです。
余談ですが、20年前の1998年ワールドカップと8年前の2010年ワールドカップの日本代表の監督は「岡田武史」監督でしたね。
メガネを掛けている「あの人」です。
どん底に行った時に、ポーンとスイッチが入るんですよ ~ 岡田武史 pic.twitter.com/eVsj6XOhYQ
— 名言 (@meigen_dic) 2018年6月15日
実は西野監督は、この岡田さんと同じサッカー部(早稲田大学)の先輩にあたります。
見た目は、西野監督の方が岡田監督の後輩のように見えますけどね(苦笑)。
監督としての実績や評価は?
西野監督が監督として獲得したタイトルは・・・
ナビスコ杯(現レヴァンカップ)2度
天皇杯2度
Jリーグ1度
ACLチャンピオン1度
Jリーグ随一の日本人監督であることは間違いないですね。
また2013年以外はすべてJリーグの監督を務め、数多くの勝利とタイトルを獲得しています。
監督としての勝利数は270。
歴代Jリーグ監督でトップの数です。
野球界などでは「名選手は名監督にあらず」なんて言われますが、サッカーでも同じ傾向にあります。
しかし西野監督は、名選手でもあり名監督でもある・・・そんな数少ない凄い人物なのかもしれません。
さて、そんな西野監督の評価はどうなんでしょうか?
実は「優秀な監督」という高評価と、「戦術がない監督」という低い評価とにかなり二分されています。
実績はこんなにも凄いのに、ちょっとこれには意外ですね。
サッカーの世界は洋の東西を問わず、「勝てば官軍」というところがありますから、ガンバ時代の西野像と、ヴィッセル、グランパス時代の西野像とで評価が分かれるのでしょう。
西野監督をレイソル時代やガンバ時代を見て評価すると、非常に有能な監督だと言えます。
ただ勝つだけではなく、攻撃的で面白いサッカーをやる。
そして選手に強制するわけでもなく、あくまでそのプレースタイルは自主性を重んじる。
「選手を信頼しながら、攻撃的サッカーを展開する監督」という評価です。
一方、ヴィッセル神戸での途中解任(その後同クラブはJ2へ降格)や、名古屋グランパスでの低迷と更迭(その後同クラブはJ2へ降格)という結果とともに、「戦術のない監督」「守備組織を組めない監督」という評価をくだす人もいます。
評価は人それぞれですので、僕はどちらも間違いではないと思います。
しかしJリーグ最多勝利を獲得して、しかもタイトルを数度も獲得した監督が「戦術をもっていない」ということは考えられませんよね。
そんなにJリーグは甘くはありませんので。
やはり西野監督の評価としては、「攻撃的で現実的な勝利を目指す監督」と見ていいでしょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません