アクセルを踏んでも車が前に進まない!ガタガタ振動する原因とその対処法を解説!

職場へ向かう途中のお客様から、急ぎの連絡があり「車が前に進まない!」という訴えがありました。

車が前に進まない理由は多岐にわたりますが、具体的には「ガタガタ振動する」という症状みたいです。

複数の原因が考えられる中で、「振動する」という情報から原因を3つに特定できることがあります。

それでは、考えられる3つの原因とは何でしょうか?

そこで本日は「車が振動して前に進まない場合の原因」についてご説明いたします!

 

振動しながら加速しない疑われる原因

「車が加速しない上に振動する」という状況下で、想定される原因には次のものがあります。

・イグニッションコイル

・スパークプラグ

・インジェクター

これらは点火や燃料供給システムの一部であり、まずその機能や役割について見ていきましょう。

 

イグニッションコイルが原因

ガソリンに火をつけるための変圧器であり、バッテリーからの12ボルトを数万ボルトに増幅します。

イグニッションコイルに障害が発生すると、次のような問題が起こりえます。

①アクセルを踏んでも車が加速しない

②アイドリングの不安定(振動)

③エンジンの始動が困難

④エンジンの警告灯が点灯

後ほど詳述しますが、「イグニッションコイルの修理には高額がかかる」ため、懸念される点です。

 

スパークプラグが原因

スパークプラグは、イグニッションコイルからの高電圧を利用して、ガソリンに火花を飛ばし点火させる重要な部品です。

スパークプラグに問題が生じた場合、

①アクセルを踏んでも車が加速しない

②アイドリングの不安定(振動)

③エンジンが始動しにくい

といった症状が現れることがありますが、エンジン警告灯が点灯しないケースもあります。

 

白金やイリジウム製のスパークプラグは、耐久性が高く10万km持つとされています。

しかし軽自動車の場合は、5万km程度で交換が必要になることもあります。

 

インジェクターが原因

インジェクターは、エンジンに送られる空気量に応じて適切な燃料を計算し、霧状に高圧で噴射する部品です。

使用を重ねるとカーボンや汚れが蓄積し、性能が低下することがあります。

スパークプラグ、イグニッションコイル、インジェクターの3つは、車が振動して加速しない症状の共通の原因となり得ます。

このような症状が見られた場合、どれか一つが原因である可能性が高いですが、正確な診断のためには詳細な点検が不可欠です。

 

では、車が振動する原因は何でしょうか?

車のエンジンには、軽自動車であれば3気筒、中型車で1,500~2,000ccの場合は4気筒エンジンが一般的です。

4気筒エンジンでは燃焼室が4つあり、エンジンの振動を抑えるためにそれぞれの燃焼室で、適切なタイミングで爆発が起こるよう設計されています。

 

しかし、点火や燃焼が不完全な場合は加速が不十分となり、エンジンの回転に不均一性が生じ、振動する原因となります。

特に気筒数が少ないエンジンでは、このような症状が顕著に現れます。

例えば、6気筒エンジンでは振動は感じられるものの、通常の走行には支障がないため、問題に気付かず使用を続ける人もいます。

 

加速不能と焦げた匂いはオイル漏れが一因

もしあなたの愛車が、オートマチックトランスミッションフルード(ATF)の交換を一度も経験していないなら、これが加速しない原因かもしれません!

加速に失敗し、アクセルを踏む度に焦げた匂いがする時は、誰もが驚きます。

その「焦げ臭さ」は直感的に異常を感じさせますが、何が悪いのか特定するのは難しいですね。

ここでは加速しない問題と焦げ臭い匂いの可能性ある原因を紹介します。

 

ATFの交換時期をチェック

【ATF(オートマオイル)とは?】

・オートマチックトランスミッションフルードの略称

・トランスミッション内を潤滑するためのオイル

・エンジンオイルとは異なり、変速機の動作を滑らかにするオイル

※トランスミッションは、ギアチェンジを司る装置です。

 

あなたの車は購入後、ATFを交換した記憶はありますか?

ATFの交換時期は、走行距離や提供元によって異なります。

・ガソリンスタンドや車用品店では、2年ごとや2万kmごとの交換を推奨する場合があります。

・ディーラーでは、メーカーにより差がありますが、一般的に4万kmから10万kmでの交換を推奨しています。

 

経年や使用により劣化するATFは、交換を怠ると燃費の低下やトランスミッション故障のリスクを高め、結果的に加速不良を引き起こすことがあります。

また、劣化したATFが漏れ出し、焦げ臭い匂いの原因ともなり得ます。

 

ATF漏れが焦げ臭さの元凶

ATFをこれまで交換したことがないと気づいた場合、それが「加速しない」「焦げ臭い匂い」の原因である可能性が高いです。

車を停めた後、地面に液体が滲み出ている、色付きの水溜りができているかもしれませんね。

車のオイル漏れは、亀裂や隙間から発生します。

・亀裂の原因は、何かにぶつかったり、強い振動による金属疲労です。

・隙間はオイルシールやゴムパッキンの劣化によって生じます。

 

亀裂は過去に事故に遭遇したことがあれば思い当たるかもしれません。

一方、隙間はゴムパッキンの劣化が原因で、ゴムが硬化して柔軟性が失われ隙間が生じます。

ゴムの硬化は、使用しているか否かに関わらず、時間の経過とともに起こります。

硬化したゴムパッキンは圧縮しても十分に縮まず、ひび割れを起こすことがあります。

 

このひび割れからATFが漏れ出し、車の熱でATFが加熱されると焦げた匂いが発生します。

オイル漏れだけでなく他の原因も考えられるため、専門のディーラーや整備工場での点検を推奨します。

「加速しない」「焦げた匂い」の症状を未然に防ぐためにも、定期的な点検を心がけましょう。

 

修理コストの概算:車の加速不良とその解決策

イグニッションコイル、スパークプラグ、インジェクターはそれぞれ、3気筒や4気筒エンジンに応じて数が必要となります。

これらの部品を純正品で揃える場合、大まかな価格は以下の通りです。

・イグニッションコイル(1本あたり):約10,000円

・スパークプラグ(1本あたり):約500円~2,000円

・インジェクター(1本あたり):約10,000円

 

4気筒エンジンの場合、これらの部品コストは「上記の価格×4」となります。

特にイグニッションコイルやインジェクターの全数交換は、部品代だけでかなりの出費になります。

作業工賃は、車種の複雑さによって異なります。

簡単な車種であれば概ね「点検代を含めて10,000円以内」となる場合が多いです。

ただし、より複雑な構造の車種では、作業工賃が20,000円から30,000円に達することもあります。

 

スパークプラグは通常、全数交換が推奨されます。

イグニッションコイルやインジェクターについては、故障している部分のみの交換という選択も可能です。

しかし、経年劣化は避けられないため、他の部分もいずれ同様の問題を引き起こす可能性があります。

長く乗る予定であれば、全数交換で安心を選ぶのも一つの方法です。

イグニッションコイルは、社外品がオンラインでも安価に手に入り、自分での交換も難しくないため、DIYによる修理も考えられます。

 

ATF交換の費用は約8,000円から30,000円(工賃込み)で、修理店によって価格差があります。

ATFは他のオイルに比べて量が多く必要なため、修理費用が高めになることがあります。

ATF漏れの修理費用は、数千円から最大で50万円(工賃込み)までと幅広く、原因によって大きく変わります。

オイルシールやパッキンの交換だけで済む場合は比較的安価ですが、トランスミッション自体の交換が必要になると、費用が高額になります。

 

まとめ:定期的なメンテナンスが重要

「車が加速しない、振動する」問題に関する原因として、

・イグニッションコイル

・スパークプラグ

・インジェクター

・ATF漏れ

の4つを挙げました。

 

この問題の特定には、「ガタガタ振動する」という情報が重要な手がかりになります。

しかし、加速しないという問題だけでは、原因の特定が難しく、さらに多くの可能性を考慮する必要があります。

車の不調は、症状の有無にかかわらず、早期発見・早期対応が重要です。

何か異常を感じたら、速やかに専門家による点検を受けることをお勧めします。

安全運転には、車の定期的なメンテナンスが不可欠です。