学校の先生の車に生徒を乗せてもいいの?教師は送迎してもいいのか法律を調べてみた

2020年10月22日




部活の対外試合や大会・コンクールなどがある時学校の先生が現地まで自分の車で生徒を送迎してくれる場合があります。

でも、この「先生の車による生徒の送迎」は、そもそも法律的にはOKなのでしょうか?

法律上は、教師の車での送迎は禁止されているのか…?

僕自身が気になったので、自分への備忘録も兼ねて今回調べてみました。

 

【先に結論】

先に今回調べて分かった、要点と結論を書いておきます。

・先生が自分の車に生徒を乗せる場合は、事前に自家用車の届け出が必要

・そして、生徒を乗せるたびに事前に学校長の承認が必要

・車に乗る生徒本人とその保護者の同意も必要

・事故があった時は、原則として各自治体がその責任を負う

 

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公立の小中学校や高校の教師が生徒を車に乗せるケースを調べてみた

今回は僕の個人的な疑問からタイトルの内容をネットで調べてみたわけです。

しかし本題に入る前に断っておきたいことが、いくつかありますので一読して下さい。

 

学校の先生が、児童や生徒を自家用車に乗せて引率することについては、法律ではなく各都道府県や市町村の教育委員会訓令により決められています。

法律ではなく、各自治体が独自に決めているということですね。

 

そして調べていくうちに、まず2つのことに気が付きました。

1つめは「児童や生徒」とありますので、これは小中学校と高校について規定(訓令)です。

「児童」は、小学校で教育を受ける者、

「生徒」は、中学と高校で教育を受ける者、

のことを一般的に指すからです。知ってました?

 

ちなみに、「学生」は大学生のことを言いますので、今回調べた内容は「小中学校と高校」についての内容になります。

大学生は対象外です…って、大学生はもう大人ですからね。

 

2つめに「教育委員会訓令」とありますが、教育委員会は公立の小中高を管理している組織です。

教育委員会は、都道府県の教育委員会と市町村の教育委員会とがあります。

※公立の幼稚園も管理していますが、ここでは除外します。

ということは、私立の小中学校や高校は、今回調べたことからは対象外となるわけです。

 

私立の学校の場合は、各校が独自に先生の送迎による規定を決めていると思いますので、直接学校へ問い合わせて下さい。

今回は、「児童・生徒」と「教育委員会」と言うキーワードから、公立の小中高の先生の車による送迎について調べています。

 

先生の車による送迎は都道府県や市町村ごとに規定の違いがある

僕はネットで調べて、検索に出てきた10校ぐらいの内容を大まかにまとめて、今回ここで書いています。

「教育委員会訓令 自家用車 〇〇〇市(市町村名)」

で検索すれば、グーグル先生が教えてくれます。

出てこない場合は、自家用車の送迎の規定がないのではなく、ネット上にアップされていないだけです。

 

またネット上で見つかっても、それが最新の内容とは限りません。

ですから一番確実に正確に知る方法は、学校か教育委員会へ直接問い合わせることです。

 

更に、僕が調べたいくつかの学校の規定を比べても、各自治体(学校)によりその規定の内容が違います。

つまりこれは、他校の規定を知ってもあまり意味がないことになります。

やはり、正確に自分の学校の先生の車による送迎規定を知りたい時は、直接学校か教育委員会へ聞いて下さい。

 

…とは言っても、教育委員会訓令にはテンプレート(ひな形)があるようで、基本となる大まかな部分はどこの学校でも同じでした。

後述しますが、「先生の自家用車による送迎は禁止」もしくは、細かい違いはあれど、事前に校長の承認があればOK」などの部分が同じです。

その部分について、今回は書いていこうと思います。

 

なお「先生は自分の車に生徒を自由に乗せていいよ」と言う学校は、今回ひとつもなかったです。

従って、公立校で先生の独断で生徒を車に乗せているケースでは、教育委員会訓令に違反している可能性が高いと思われます。

 

補足として、小中学校は市町村が管理していますから、各市町村の教育委員会。

高校は都道府県が管理していますから、各都道府県の教育委員会が管轄になります。

問い合わせる際の参考にして下さい。

 

 

先生(教師)が生徒を車に乗せる時は事前に届け出と承認が必要

冒頭で結論を先に書いちゃいましたけど、先生(教師)が生徒(児童・学生)を自家用車に乗せる時は、

・事前に自家用車の届け出

・校長の承認

の2つ大きな申請が必要になります。

 

今回調べた限りでは、先生の送迎が認められている学校では、どこもこの2つの申請が必要でした。

これらについて、もう少し詳しく書いていきます。

 

尚、公立高校のなかには県の教育委員会からの指導で、先生の送迎が禁止されている都道府県もありますので気を付けて下さい。

※自家用車でなく、公用車での送迎も禁止されています。

 

生徒の引率に使う自家用車を事前に学校長に届け出をする

まず、生徒を乗せる車をあらかじめ学校長へ届け出をします。(申請書がありますので書面で届け出をします)

「あらかじめ」ですから、「事前に」と言う意味ですね。

学校によっては、年度ごとに申請するところもあるようです。

 

もちろんどんな車でもいいわけではなく、整備された安全に運行ができる車でなければいけません。

シャコタンや、竹槍マフラーの車は論外です。

 

教師が生徒を車で送る時はその都度、学校長の承認が必要になる

そして、先生が生徒を車に乗せる必要がある場合は、その先生はその都度学校長の承認を得る必要があります。

「その都度」ですから、「毎回ごとに」と言う意味です。

こちらも申請書がありますので、それに記入して学校長へ提出します。

で、学校長から「OK」の承認をもらって、初めて生徒を車で送迎することができるのです。

 

ここでのポイントは、必ずしも学校長が承認するわけではないということです。

教育委員会訓令には、「学校長は承認することができる」と書いてあり、「承認しなければならない」とは書いていないからです。

承認するうえでの判断基準がいくつか決められていますが、最終的にOKを出すかどうかは学校長の判断次第になります。

※この「判断基準」は各自治体により違いがありますので、個別でそれぞれ問い合わせて下さい。

 

余談ですが、「許可」と「承認」は言葉の意味が違います。

「許可」は、法律で禁止されていることを特別に認めること。

「承認」は、承諾や肯定することです。

今回の場合は特に2つの言葉を区別する必要もないので、「学校長の許可が必要」と読み替えても大丈夫です。

 

先生が車で送る時は生徒と保護者の同意も必要になる

先ほどの「学校長が承認する判断基準」の主な内容は

・公共交通機関の利用が不便な地域には承認できる

・用具など荷物が多く、公共交通機関には適さない時には承認できる

・運転する先生が初心者マークやペーパードライバーの場合は承認しない

・自動車保険に加入していないと承認しない

・県外や深夜、悪天候時の運行は承認しない

・病気や整備不良の時は承認しない

などです。

こちらも、各自治体により内容に差があります。

 

僕が注目したのは、このほかに「生徒や保護者が同意していること」と言う一文がある点です。

先生が自家用車に生徒を乗せて送迎することを、事前にその生徒本人と保護者に同意を得ていなければ、学校長は送迎を承認しません。

こちらの場合も、「同意書」のような書面を保護者に提出してもらう学校が多いようです。

 

まとめると、送迎しようとする先生は、事前に学校長・生徒・保護者3人の承認(同意)を得る必要があるわけです。

 

承認を受けた引率中に先生が事故を起こした場合は自治体が責任を負う

もし、先生が生徒を車に乗せている時に、交通事故にあったら誰の責任になるでしょうか?

今回調べた限りでは、どこの学校も「自治体が責任を負う」と書いてありました。

高校なら都道府県で、小中学校なら市町村ですね。※高校は県立で、小中学校は市立だからです。

 

公立学校の先生は公務員ですから、正式な手続きを経たうえで起こしてまった事故については、その責任は各自治体が負うことになっています。

とは言っても、運転していた先生の運転手としての責任がなくなるわけではないですし、承認した学校長の責任も問われることでしょう。

 

運転していた先生に故意や重過失があった場合は、もちろん事故の責任はその先生が負うことになります。

故意とは「わざと」で、重過失とは飲酒運転や悪質なスピード超過などのことです。

 

また、先生の自動車保険が優先的に使われたり、公務員としての災害補償が受けられるケースもあります。

この辺りも、各学校により違いがあります。

当たり前のことですが、学校長の承認なく無許可で生徒を乗せて事故った場合は、全責任はその先生が負うことになります。

 

 

先生が自分の車に生徒を乗せた時に考えられる問題点

以上が、教育委員会訓令で決められている大まかな規則です。

これらの手続きをして正式に学校長の承認がもらえれば、先生は生徒を車に乗せてもOKになります。

しかし、実際には次のような問題点があります。

 

”えこひいき”など不平不満を言われる可能性がある

その学校のすべての先生が、毎回生徒を送迎してくれるのならいいです。

しかし、特定の先生だけ、特定の部活だけ、特定の生徒だけ送迎していると、”えこひいき”など不平不満を言われる可能性があります。

これは生徒本人からも、その保護者からも言われる可能性があるので、送迎しようとする先生は注意が必要ですね。

 

セクハラやパワハラを疑われる可能性がある

こちらは、今の時代を反映している内容です。

先生が生徒を自分の車に乗せると、セクハラやパワハラを疑われる可能性があります。

車は密室ですから、特に異性間で2人っきりはやめた方がいいです。

先生にそんなつもりはなくても、生徒側にセクハラと思われてしまうことだってあります。

 

また無理やり車で送迎しようとすれば、パワハラと言われかねません。

いくら学校長の承認が降りても、こうした”えこひいき”やセクハラと言われるリスクも考えて、先生は生徒を車に乗せるかどうかを考えた方が良さそうですね。

 

 

【結論】教師による生徒の引率は公共交通機関を利用した方が良い

今回調べて分かったことは、やはり公共交通機関を利用した方がいいということです。

とは言っても、地方になるとなかなかそう簡単にはいきませんが、事故があってからでは遅いと思います。

実際に過去には、先生が送迎中に死亡事故が起こったケースもあります。

そうした自治体では先生の車による送迎を禁止し、公共交通機関がない場合はバスを貸し切ったりしているようです。

 

↑バスを貸切ると、こうした新たな問題も発生します。難しい…。

 

学校長の中には絶対に承認しない人もいれば、禁止されているけどやむを得ず黙認して承認してる人もいるようです。

都市部なら公共交通機関が使えますが、地方に行くと本当に不便な地域がありますからね…。

用具など荷物の量や、生徒の人数の多少の差もありますので、画一的に「禁止」「承認」とするのは難しいと思いました。

 

最後に繰り返しますが、今回は僕がネットで調べた大まかなことを書きました。

対象は公立の小中高で、私立は対象外です。

各都道府県・市町村により規定に違いがありますので、自分の学校がどんな決まりになっているのかは、直接学校または教育委員会に問い合わせて下さいね。