電車の制動距離は何m?急ブレーキを掛けても止まれないのか調べてみた

電車の踏切事故って、なかなか無くならないですよね…。

素人目線で言えば、電車の運転士が急ブレーキを掛ければ衝突を回避できるような気がします。

それなのに、なぜ踏切や線路内の事故は起こってしまうのでしょうか?

 

ここで気になるのは、電車の制動距離。

制動距離とは、ブレーキを掛け始めてから実際に電車が停止するまでの長さです。

今回は、この電車の制動距離について調べてみました。

もしかしたら電車は、急ブレーキを掛けてもすぐには止まれないのでしょうか?

 

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電車の制動距離は600メートル以内となっている

鉄道運転規則により、2002年までは「600m条項」というのがありました。

この内容は、「踏切のある路線では、非常ブレーキがかかってから600m以内に列車を停止させる必要がある」と言うものです。

この規則は廃止されましたが、現在でも制動距離のおおよその指標となっています。

 

…ろ、600mですか!?

東京メトロの丸ノ内線「新宿三丁目~新宿」間はわずか300mですから、600mなら余裕で駅を通過してしまう距離ですね。

 

列車の制動距離は自動車の制動距離より遥かに長い

ちなみに自動車の制動距離は、時速100㎞/hで制動距離100mぐらいがひとつの目安です。

やはりゴム製のタイヤである車と、金属製の車輪である電車との大きな違いなのでしょう。

「車は急に止まれない」と言いますが、制動距離を見比べればどう考えても列車の方が止まりません。

電車の方が、車に比べてはるかに制動距離が長いのです。

まさか、電車がここまで止まらない乗り物だとは思いませんでした。

 

僕がいつも乗っている私鉄の車内には、「現在の最高速度」が表示されます。

直線の最高速度で、おおよそ100㎞/hぐらい出していますね。

ということは、万一何か線路上に障害物などがあり急ブレーキかけても、そこから数百メートルは止まらないということです。

もちろん運転士が気付くまでの空走距離や、路面状況、乗客の人数で制動距離は大きく変わります。

これがいくら運転士が発見して急ブレーキをかけても、線路内の衝突事故が起こってしまう原因です。

 

「警報が鳴ったら踏切内へは絶対に侵入しない」とは、この根拠があるからなんですね。

電車は急ブレーキを掛けても間に合わないので、自分から避けるしかないのです。

 

踏切の非常ボタンは正当な理由があれば損害請求はされない

ちなみに目安として、警報が鳴り始めてから約30秒、遮断機が下りてから約15秒で列車が来ます。

トラブルを発見したら、躊躇(ちゅうちょ)せず非常停止ボタンを押すことが重要。

考えて迷っている時間はありません。

救助などに向かうことは危険ですので、絶対にやめてください。

 

電車の制動距離は600m以内と説明しましたが、時速80キロで走行している場合でも、制動距離は250m前後必要になります。

「電車の方が止まってくれるだろう」という考えは捨てた方がいいです。

尚、正当な理由で踏切の非常ボタンを押し電車に損害がなければ、賠償金を請求されることはありません。

※もちろんイタズラや妨害目的で押せば、桁違いの損害金が請求されます。

 

新幹線の制動距離はおよそ4㎞以内

電車でこれだけの制動距離が必要なわけですから、それなら新幹線はどうなんだろう?と疑問に思いました。

東海道新幹線の最新車両N700Aは、最高速度285㎞/hから約3㎞で停止できるように設計されています。

キロですよ!メートルではありません。

ちなみに従来の型の新幹線の制動距離は、おおよそ4㎞以内になるように設計されています。

 

3Kmって言ったら、1~2分間ぐらいずっと急ブレーキをかけて続けて、ようやく停まるような感じですね。

やはり車の一瞬で停まる急ブレーキとは違い、新幹線は急ブレーキを掛けてもなかなか止まらず、そのまま滑って行くような感じになってしまうのです。

実は、日々新幹線など新車両の開発が進められていますが、速く走ることよりも早く止まる方が技術的に難しいと言われています。

最高スピードを出したはいいが、全然止まれないのでは安全性に問題があるからです。

 

新幹線は制動距離が長いため踏切がない

新幹線は特例法により、600m条項の例外とすることで実現した過去の経緯があります。

また、制動距離が在来線と比べて遥かに長いため、安全面を考慮して踏切がないのです。

新幹線の線路はすべて高架か地下になって、道路と交差しない造りになっているのはこのためです。

 

尚、山形新幹線と秋田新幹線は、踏切があるため最高速度は130㎞/hとなっています。

僕にとっては、新幹線に踏切があるとはちょっと想像ができませんけどね。

機会があれば、ぜひ一度見てみたいものです。

 

新幹線の線路内に立ち入るだけで逮捕される可能性がある

そう言えば新幹線の線路って、すべてフェンスなどで厳重に囲われていますよね。

そして、そこにはこんな注意書きがあるはずです。

 

「線路内に立ち入ると法律により罰せられます」

 

法律とは、先ほどの新幹線特例法のことです。

新幹線の線路は無断で立ち入るだけで逮捕され、5万円以下の罰金もしくは1年以下の懲役になります。

線路に入っただけで懲役刑ですから、いかにその罪が重いのかが分かりますよね。

もちろん、実際に新幹線を停めるなどしてケガ人が出れば、刑事上も民事上も責任を負うことにもなります。

※ローカル線の線路に立ち入った場合は、科料1万円以下です。

 

時速300キロで走っている新幹線の走行を妨害するわけですから、線路に立ち入ることは相当危険で迷惑な行為です。

興味本位とか写真を撮る目的で、新幹線の線路内に入るのは絶対にやめましょう。

線路に物を投げ込んでも逮捕されますよ。

 

【結論】電車が急ブレーキを掛けると乗客が転倒してケガをする

今回は、電車は急には止まれないのか?どうして踏切事故は起こるのか?について調べてみました。

どうしても車と同じ感覚で見てしまうので、まさか電車の制動距離が数百メートルも必要とは驚きです。

新幹線の制動距離が4㎞って、アニメ”キン肉マン”のテリーマンが新幹線を停める「あのシーン」が思い出されるぐらいです。

 

↑この時の「制動距離」は、一体何メートルだったのでしょうか…?

 

文章中にも書きましたが、技術的には電車を速く走らせるよりも、いかに早く止めるかの方が課題です。

だからと言って必要以上に急ブレーキを掛ければ、乗客が転倒しケガをする恐れがあります。

乗っている乗客がケガすることなく、安全に停止できるのが現在の制動距離です。

もし、今以上に急ブレーキを掛ければ、車輪がロックしたり最悪脱線ってことにもなりかねません。

車輪がロックすれば、逆に制動距離が伸びてしまいます。

 

電車の最前列に乗っていると、運転士は駅のかなり手前からブレーキを掛けますが、あれは乗客の安全面を考慮したうえでの制動距離なんですね。

このような電車の制動距離の仕組みを理解すれば、いかに踏切や線路内に立ち入るのが危険なことかが分かると思います。






電車

Posted by ちたま