北朝鮮の核ミサイルの破壊力は?迎撃できないのか調べてみた
北朝鮮ヤバイです。もう対岸の火事ではないです。おちおちブログなんか書いているバヤイではないですよ、本当に。
トランプ大統領と金正恩氏のメンツと言うか、意地の張り合いで核ミサイルは勘弁して下さい。世界が終わっちゃいます。
ところで北朝鮮の核ミサイルは、どれほどの破壊力か気になりませんか?核と聞いただけでヤバいことは分かっていますが、ちょっと調べてみました。
核ミサイル
まずミサイルと言っても種類が様々です。北朝鮮問題でよくニュースで耳にするのは「弾道(だんどう)ミサイル」です。訓読みすると「たまのみちみさいる」です。弱そうですね、意味が分かりません。
ちなみに弾道ミサイルは、大雑把に言うと弾頭部分とエンジン部分(推進ロケット)から成ります。
弾道とは放物線を描く軌道のことです。ボールを投げると放物線を描いて落ちてくるでしょ?アレです。
弾道ミサイルは、まず垂直に発射されます。スペースシャトルや人工衛星の打ち上げと同じです。北朝鮮のミサイル発射実験映像を見た人もたくさんいると思います。
発射されたミサイルは、推進ロケットでやや斜めに飛んで行きます。どこまで飛んで行くかと言うと大気圏外までです。大気圏の外側ですから宇宙と言ってもいいですね。空気がナッシングで、高度で言うと数百kmぐらいです。
大気圏突破後は推進ロケットを切り離します。残った弾頭部分は推進力がないわけですから、あとは慣性で飛行してその後大気圏に再突入します。その後、放物線を描いて目標まで到達するわけです。大気圏突入と言えば、機動戦士ガンダムの第5話のアレです。
飛行イメージが想像できましたでしょうか?
んーと、ロケットエンジン搭載の野球ボールをイチローがセンターからバックホームするとします。
センターからホームベースまでは、遥か1万kmぐらい離れています。
イチローが投げたボールは、ロケットエンジンの力でぐんぐん上昇し、大気圏をも超える高さまで上昇しました。
そこでロケットエンジンを切り離し、あとは放物線を描き目標のホームベースまで落下していきました。ゴールデングラブ賞もんです。
・・・こんな感じです。
これが弾道ミサイルってやつです。この弾頭部分に核を搭載したものが核ミサイルです。つまり宇宙空間から核が落下してくるわけです。え?初めて知ったとか?平和ボケしてますよ。
威力
核兵器の破壊力は「キロトン」で表します。広島に投下されたものは15キロトン、長崎は21キロトンだったと言われています。
それでは北朝鮮の核兵器はどれぐらいなのでしょうか?
昨年2016年9月に北朝鮮が行った核実験は、30キロトンだったようです。もう長崎のそれを超える破壊力なんです。
現在では50キロトンまで技術が進んだと言われています。
現実を直視しましょう。あの独裁国家が、長崎や広島を超える兵器をすでに持っているのです。他人事ではありません。
マスコミは国会議員のつまらないスキャンダルよりも、もっと報道することがあると思います。所詮、視聴率優先なんでしょうね。ただ我々がこれを視聴しなければ済むだけの話なので、もっと日本国民は危機感を持って北朝鮮問題に向かい合うべきです。原爆の惨事を2度と繰り返してはなりません。
参考までに、1954年にアメリカがビキニ環礁で行った水爆実験は、15000キロトンです。いわゆる死の灰を浴びた第5福竜丸の事件です。桁が違います。
1961年にソ連が行った核実験、ツァーリー・ボンバの50000キロトンが、人類史上最大の水素爆弾です。もう戦後わずか16年で開発されていたとは恐ろしい限りです。もちろん現在はそれ以上に進化しています。
数字だけでみると北朝鮮は大したことなさそうに見えますが、アメリカやソ連が異常なだけです。
北朝鮮が広島や長崎の3倍程度と言っても、単純に比較はできません。広島・長崎は戦闘機からの「投下」でしたが、弾道ミサイルは宇宙空間からの「自由落下」です。ミサイルそのものの速度が違います(運動エネルギーが大きい)。
また北朝鮮のミサイルが1発とは限りませんよね。複数発同時に発射されることも十分考えられます。また空中で爆発するのか、地上で爆発するのかにより被害状況も変わってきます。
迎撃可能か?
北朝鮮国内から宇宙空間を経て、自由落下で落ちてくる弾道ミサイルを迎撃することは可能なのでしょうか?
まず発射の段階で迎撃可能か考えてみます。当然、ミサイルは北朝鮮国内から発射されますが、発射台が固定式だけでなく移動式もあります。この移動式が厄介でなかなか事前に発見できないのです。
第二次世界大戦中にドイツが開発したV2ロケットと言われるものは、トレーラーで牽引して移動することができました。主に目立たない森林から発射されたため、終戦まで1度も発射前に妨害されることはありませんでした。まさに神出鬼没です。敵国にとっては脅威ですね。
また北朝鮮の有名な大陸間弾道ミサイル「テポドン2」は、射程距離が1万kmと言われています。ええ、アメリカ本土まで届きますよ。もうアメリカも、うかうかしていられない訳です。こんな遥か彼方から撃たれるわけですから、そりゃ発見が難しいですよね。
と言うわけで、発射の段階で迎撃するのはなかなか難しいようです。
次に大気圏外での迎撃について考えてみます。
発射された弾道ミサイルは、大気圏突破後に推進ロケットを切り離すことはすでに説明しました。この大気圏外が、時間的に一番余裕がある段階です。ここで迎撃できれば理想です。
しかし考えてみてください。大気圏外ですよ。どんだけ高いの?高度500kmとか富士山いくつ分??戦闘機を打ち落とすミサイルなどでは届きません。まずこの高さまで届く迎撃ミサイルが必要です。
また大気圏外ですから空気がない(薄い)です。つまり空気抵抗がなわけですから、この中で迎撃ミサイルの動きをコントロールしなければならないのです。これは意外と難しいカモ。
果たしてこれが可能な迎撃ミサイルはあるのでしょうか?・・・あるんですね、日本の技術はスゴイ!「スタンダード・ミサイル3(SM-3)」というミサイルです。すみません、アメリカ産でした。
これなら大気圏外の弾道ミサイルも撃ち落せます。500km上空の物を狙い撃つってスゴくない?想像が付きません。
このSM-3はレーダーなどの処理が必要なため、イージス艦に配備されています。
と言うわけで、とりあえずイージス艦があれば迎撃可能ということですね。
最後に、大気圏再突入から着弾の間に迎撃できないか考えてみましょう。
とは言っても、時間としては僅か1分ほどしかありません。だって宇宙空間から核弾頭が自由落下して来るんですよ。
その速度は秒速7kmと言われています。1秒間で7kmも進む速さです。
従って着弾地点の近くから、しかも瞬時に発射できる迎撃ミサイルでないと間に合いません。もたもたしてたら、ドッカーンです。
そんな迎撃ミサイルあるんでしょうか?・・・あるんですね、日本の技術はスゴイ! パトリオット・ミサイル(PAC-3)というミサイルです。すみません、made in アメリカでした。
そう、ニュースでも報道されていたアレです。全国に16基配置されていますって、公表したら防衛にならんがな・・・。
射程距離は20kmですから、16基では日本全国をカバーできませんね。ウチの近くに配備お願いします。
命中率がどうのこうのって言われていますが、結構信頼できるミサイルです。ただ大気圏内で迎撃するので、核弾頭に搭載されている核物質が地上に飛散します。
もし、大気圏に再突入する直前に迎撃することができれば、核物質は大気圏で燃え尽きます。これが可能なミサイルはあるのでしょうか?・・・あるんですね、日本の技術はスゴイ!THAADミサイル(サードミサイル)です。すみません、アメリカンでした。やっぱりアメリカの軍事力はスゲー。
THAADミサイルは日本には配備されていません。韓国にはありますね。射程距離は200kmなので、パトリットよりも高度で迎撃できます。SM-3とPAC-3の中間的な存在です。
このように発射された弾道ミサイルの位置により、その段階に適した迎撃ミサイルが用意されています。
もちろん100%迎撃できるかと言えば疑問が残りますが、日本も黙って見ているわけではないことが分かりました。
別の問題
ここまで読んで、日本のミサイル防衛システムは安心と思ったアナタ! 砂糖です、甘いです。
現実ではまだまだ問題は山積しています。例えば北朝鮮がミサイルを発射したとしましょう。すぐに撃ち落せますか?
それが実験だったとしても、戦争中でもないのに撃ち落しては大問題に発展するでしょう。
又、追跡すればそのミサイルがどこに向かっているのかは容易に把握できます。しかし、そこは北朝鮮製。「あ、ごめん。まちがえて東京に落ちちゃった、テヘっ。」ってこともあり得ます。実際、日本列島の上空を越えて行きましたからね。
問題はまだあります。ここまで読んで、ミサイルは1発ずつとイメージしたアナタ!人工甘味料です、太りません。
一度にミサイルを複数撃たれたら対応できますか?
はい、イージス艦のSM-3である程度は可能です。日本のイージス艦は現在6隻、アメリカも10隻以上保有しています。これにPAC-3を加えれれば、弾道ミサイル10~20発ぐらいなら対応可能と言われています。なぜかここだけQ&A形式。
しかし、イージス艦が迎撃するのには内閣総理大臣の許可が必要です。艦長ではダメなんです、ブライトさん残念。
イージス艦「安部さーん、ミサイル飛んできました。撃ち落していいっすか?」
安倍さん「うーん、OK牧場」
ってなやり取りが必要なんです。実際、間に合うんでしょうか?不安です。
まとめ
北朝鮮の弾道ミサイルは宇宙空間を飛んできます。そしてすでにその威力は、広島・長崎を超えています。
弾道ミサイルの飛行状況を判断して、的確な迎撃が必要です。日本にはSM-3やPAC-3が配備されています。
技術的には迎撃可能でも、安易にそれができないのが現状です。
あなたの北朝鮮問題に対するご意見をぜひお聞かせ下さい。コメント欄へどうぞ。
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