私人(常人)逮捕のやり方とは?一般人が現行犯逮捕できる条件を調べてみた
逮捕と言えば、警察官です。
しかし、一般人でも逮捕できることを知っていましたか?
過去に、こんなニュースがありました。
殴られた教員が生徒を常人逮捕 傷害容疑の現行犯で 福岡県内の中学校
10/3(火) 16:01配信
3日午後、福岡県内の中学校で、男子生徒(14)が、男性教員(46)の顔を拳で数回殴る暴行を加え、顔面打撲の傷害を負わせたとして、この教員が生徒を傷害容疑の現行犯で常人逮捕した。
引用元:西日本新聞 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-00010010-nishinpc-soci
教員(先生)だから逮捕できたわけではなく、実は一定の条件下なら一般人でも逮捕ができるのです。
これを私人逮捕(常人逮捕)と言いますが、今回はその条件ややり方について調べてみました。
【先に結論】
現行犯か準現行犯なら私人(常人)逮捕できる。
軽微な犯罪は、犯人の氏名・住所が不明で逃走の恐れがある場合のみ。
Contents
一般人が私人(常人)逮捕できるには2つの条件が必要
一般人が逮捕をするには、大きく分けて2つの条件が必要です。
犯罪が起こったからと言って、どんな時でも逮捕できるわけではありません。
間違った状況で私人逮捕してしまうと、逆に自分が逮捕・監禁罪や暴行罪に問われてしまいます。
これから私人逮捕をする予定(?)の人は、しっかりと条件を知っておきましょう。
現行犯なら一般人でも逮捕することができる
私人(常人)逮捕ができる条件は、犯行が現行犯か準現行犯であることが条件です。
現行犯はその名の通り、まさに自分の目の前で犯行現場を「見ちゃった」場合です。
そして準現行犯とは、犯行が行われた直後でどう考えてもコイツが犯人と分かる時です。
窃盗した物を持って、今まさに逃走中とかですね。
現行犯と準現行犯の違いは素人には難しいですが、少なくとも犯行が行われてしばらく経ってからでは、私人逮捕はできません。
自分で捜査して犯人を見つけた場合で、例えその人が本当の犯人だとしても逮捕はできないのです。
こういう場合は、素直に警察に通報しましょう。
一般人が犯人を逮捕できるのは、現行犯だけです。
軽度の犯罪は犯人の氏名が不明で逃走しそうな時のみ
いくら現行犯なら私人逮捕できると言っても、軽度な犯罪の場合はさらに条件が必要になります。
それは、犯人の住所・氏名が不明でしかも逃走しようとしている場合です。
このまま何もしなければ犯人が逃げてしまい、その後も捕まえられなくなる可能性がある場合ですね。
逆に言えば犯人がどこの誰か分かっていたり、住所や氏名が不明でも逃げる恐れがない場合には、軽度の犯罪なら私人逮捕はできません。
ちなみに軽度の犯罪とは、30万円以下の罰金・拘留・科料の罪に当たる犯罪行為です。
一例として、過失傷害罪がこの中に入ります。
過失とは、故意(ワザと)ではなく他人をケガさせてしまうことですね。
この場合は、その犯人(加害者)が誰か分かっていて、しかも逃走する恐れがないなら例え現行犯でも私人逮捕できないことになります。
逆に言えば、上記の軽微な犯罪に当てはまらない犯罪、つまり重罪の場合には、仮に犯人の氏名や住所が分かっていても私人逮捕できるってことですね。
冒頭のニュースも、教師は自分の学校の生徒なので、加害生徒の氏名や住所は知っているはず。
でも、故意に先生を殴ったので傷害罪になります。(過失にはなりません)
傷害罪は50万円以下の罰金なので、前述の条件には当てはまらず私人逮捕OKなケースになります。
これって、どの犯罪が「30万円以下の罰金・拘留・科料の罪」になるか、日頃から刑法を勉強しておかないと判断ができません。
それにその犯行が故意なのか過失なのかも、判断する必要があります。
殺人など明らかな重罪なら、一般人でも取り押さえることができることは理解できましたが、逮捕しようとして自分が被害者になる可能性だってありますからね…。
また現行犯でのみ私人逮捕は可能ですから、いつ自分の目の前で犯罪が起こるのか分かりません。
平和で安全な国日本では、犯罪を意識しながら街中を歩く人は少ないです。
警備員などなら職業柄、日頃から防犯には意識しているかもしれませんが、一般人はいざという時には逮捕と言う行動はできない思います。
私人逮捕では必要なら実力行使も認められている
では、実際にどうやって一般人が逮捕するんでしょうか?
私人逮捕のやり方が気になります。
少なくとも、イキナリ手錠を掛けるのはマズイと思います。
そんなもの普段から持ち歩いていたら、それはそれで問題になります(笑)。
私人逮捕する際は、必要な範囲内での実力行使は認められています。
暴れる犯人を押さえたり、ロープで縛ったりすることもできます。
学校とかに置いてある、刺股(さすまた)で抑え込むのも認められているのです。
ただ行き過ぎた実力行使は、やはり逆に自分が暴行罪などに問われる可能性があります。
幾ら相手が犯罪者だからと言っても、必要以上にフルボッコとかはダメですね。
この辺りは、正当防衛に似てる感じでしょうか。
また、私人逮捕で犯人を取り押さえたら、直ちに警察官を呼びましょう。
「直ちに」とは、「今すぐに」ということです。
警察署まで勝手に連行したり、その場で取り調べなどすることはできません。
裁判を開くのもダメです。
すぐに110番して、
「おまわりさんコイツです!」
と犯人を引き渡しましょう。
【結論】犯罪を目撃したら110番+スマホで撮影した方がいい
私人(常人)逮捕の条件は、「現行犯か準現行犯であること」。
そして「軽微な犯罪の場合は、犯人の氏名・住所が分かっていて、逃走の恐れがない場合は逮捕できない」ということ。
の2つの条件が必要です。
そして逮捕したら、直ちに警察に通報しましょう。
法律はややこしいです。
色々と細かい条件がありますので、素人の「知ったかぶり」は危険。
仮に犯人だと思って私人逮捕しても、実はそれは間違えで誤認逮捕だったりすると、今度は逆に自分が警察に逮捕される可能性があります。
また身の危険もありますから、犯行を目撃したら無理せずに110番するだけでも十分だと思います。
スマホでの撮影も、大きな証拠となるでしょう。
ちなみに指名手配犯は、私人逮捕できません。
現行犯じゃないですからね。
こちらも警察に情報提供して、懸賞金をもらいましょう。
行き過ぎた私人逮捕は犯罪になりますので、僕みたいな無知な素人が出しゃばるのは危険かな、と思いました。
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