北朝鮮ミサイルを自衛隊が撃ち落とさない理由を調べてみた!
またしても北朝鮮がミサイルを発射。
今回も自衛隊やイージス艦は、ミサイルを撃ち落とすなどの行動はしませんでした。
「自衛隊のPAC3では届かない」とか「イージス艦でも迎撃は難しい」などがその理由と言われています。
果たして日本は、本当に北朝鮮のミサイルを迎撃することはできないのでしょうか?
※この記事は2017年に書いたものを書き直したものです。
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政治的配慮からミサイルを撃ち落とさない
自衛隊がミサイルを撃ち落とさない理由は、大きく分けて2つあると言われています。
まず一つ目は政治的な配慮。
日本がミサイルを撃ち落すことにより、それがVS北朝鮮との開戦のキッカケになってしまうのを避けるためです。
北朝鮮はミサイルを「人工衛星だ」と言って打ち上げていますので、それを打ち落とせば国際問題になる可能性があります。
また北朝鮮と仲が良い、ロシアや中国も黙っていないはずですからね。
北朝鮮のミサイル発射は、日本やアメリカなどへの挑発の意味もありますので、安易にこれに乗ってはいけません。
高度が高すぎて物理的に迎撃できない
そして2つ目の理由は、物理的にミサイルを撃ち落すことができないからです。
これは、テレビなどでもよく言われていますよね。
自衛隊のパトリオット迎撃ミサイル(PAC3)の射程距離は約20km。
イージス艦のSM3ブロック1Aは、約500kmの射程距離を誇ります。
これに対して北朝鮮のミサイルは、日本の上空、高度約800kmを通過して行ったと言われています。
そう、高度が高すぎて物理的に届かないのです。
迎撃システムの射程圏外なので、打ち落とすことが無理なんですね。
※2022年10月4日のミサイルは、高度1,000Kmもの高さを通過して行きました。
日本の上空だが領空ではない
ニュースでは盛んに「北海道上空をミサイルが通過!」って言ってますよね。
※2022年は「青森県の上空」です。
ところで高度800kmってどれぐらいの高さなんでしょうか?
「上空」って言うからには「空(そら)」だと思いますが、空の上には宇宙空間があります。
調べてみたところ、一般的には高度100kmから宇宙と定義されています。
※米軍は高度80Kmから宇宙と定義。
え…?
となると…つまり北朝鮮のミサイルは宇宙空間を飛んで行ったってことです。
参考までに人工衛星が飛んでいるのが、高度300~400kmぐらいです。
でも、日本の上空に他国の人工衛星が飛んでいても、「領空侵犯だ!撃ち落す!」とか言わないですよね?
これは領空の範囲は宇宙空間までの高さなので、人工衛星が飛んでいるのは日本の領空ではないからです。
つまり北朝鮮ミサイルが飛んで行ったのは、確かに「日本の上空」かもしれませんが、日本の領空を侵犯してはいないのです。
だから自衛隊は迎撃しないわけですね。
もし領空外なのに迎撃したら、やはり政治的問題に発展する可能性があります。
※ちなみに宇宙を所有(領有)することは禁止されています。
陸地より370km離れると公海
北朝鮮ミサイルで「上空」と一緒によく聞く言葉で、「沖合」という言葉がありますよね。
以前「北海道 襟裳岬沖 東2000kmの海上に落下」というニュース報道がありました。
この「沖合」とか「沖」って、一体どれぐらいの遠さ(距離)なんでしょうか?
グーグルで調べてみたところ…
・沖合…沖のほう。
・沖…岸から遠く離れた海上。
と書いてあります…。
具体的な距離は決まっていないようですね。
でも日本の領海は陸地から約22kmまで。
一番遠い「200海里」でも約370kmまでです。
200海里内には接続水域や、排他的経済水域(EEZ)も含まれますが、簡単に言えば陸地より200海里の370km離れると、それ以上はどこの国にも属さない「公海」となります。
公海だからと言って、ミサイルを打って良い理由にはなりませんが。
となると「襟裳岬沖 東2000km」って言う表現はどうなのかな?って。
「襟裳岬の東、2000kmの太平洋上に落下」と書くのが妥当な表現ではないかと思うのです。
さきほどの「日本の上空」と同じで、「沖・沖合」って聞くと日本の領海っていうイメージがしますよね。
不安な話題は人間の関心を集めるので、これは視聴率を狙ったメディアによる意図的な表現なのかな?と勘ぐってしまいます。
津軽海峡は実は公海
北朝鮮ミサイルは北海道と青森県の間、つまり津軽海峡の上空を通過した模様です。
津軽海峡は青函トンネルのある所ですね。
地図を思い浮かべて下さい。
一番幅が狭い所だと陸地~陸地が約19kmしか離れておらず、肉眼で向こう岸がハッキリ見えるぐらい近い距離です。
北朝鮮ミサイルは、ここの上空を飛んで行ったことになります。
実はこの場合、日本の領海上は通過してないということを意味します。
「え?津軽海峡はどう見ても日本の領海だよね?この上空をミサイル飛ばしちゃダメでしょ?」
って思いますが、なんと衝撃の事実が分かりました。
なんと津軽海峡は「公海」なんです。
日本は津軽海峡は、陸地から3海里(約5.5km)までしか日本の領海と定めていません。
だから海峡の中央部分は「フリー」な公海なので、北朝鮮ミサイルが飛んで行っても日本の領海を侵犯したことにはならないのです。
これは知りませんでした。
津軽海峡冬景色の舞台が公海だったとは…!
でもなぜ…?
表向きの理由は、
「ロシアや中国、韓国の船が北海道の北の方からぐるっと回ると大変でしょ?だから公海にしておくから自由に通っていいよ。貿易ガンバッテ」
という配慮?らしいです。
それに領海にしたら他国の船が通行する度に、日本はチェックしなければなりませんからね。
なんだか腑に落ちない理由ですが、でもすぐに本当の理由が分かりました。
その本当の理由とは、
「アメリカの核を搭載した艦船が通行できるように」なんです。
非核3原則って知ってますよね?
「核兵器を持たない・造らない・持ち込まない」の3つ。
つまり津軽海峡が日本の領海だと、有事の時にアメリカ海軍の核搭載艦船がここを通れないことになります。
核を積んでいるとアメリカの戦艦は「持ち込まない」の原則により、
「稚内にある宗谷岬の方から、ぐるっと回って来てね♡」
ってことになりますからね。
だから日本に核を持ち込まないように「公海」になってるんです。
ハッキリ言ってしまえば、これは日米安保条約の代償なんですけどね。
【結論】北朝鮮は津軽海峡を狙っている!?
北朝鮮のミサイルは、確かに北海道「上空」を飛んで行きました。
でもそこは宇宙空間。
人工衛星がバンバン飛んでいる高さです。
また襟裳岬の東の「沖合」、約2,000kmの地点に着水しました。
でもそこは日本独自の権利は何も及ばない、公海である太平洋上です。
宇宙空間であり公海なので、日本の自衛隊は打ち落とそうとはしないわけです。
それにそもそも高度が高すぎて届かず、物理的に迎撃できません。
以上が、今回調べてみた結果になります。
余談ですが2017年・2022年のミサイルの軌道を見ると、どちらも青森県上空(津軽海峡の上)を飛んでいるように見えます。
これは偶然なのでしょうか?
公海である津軽海峡を狙って撃ったと思うのが、普通ではないでしょうか?
※繰り返しますが、だからと言ってミサイルを撃って良い理由にはなりません。
やろうと思えば、大都市の上空を低空で飛ばすこともできるハズですので、北朝鮮はあえて「宇宙空間」「公海上」を狙っているのではないでしょうか?
皆さんはどう思われますか?
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