北朝鮮のミサイルが海へ落ちた後の影響について調べてみた

2022年3月27日

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功?したと思われ、アメリカ本土すべてが射程距離に入りました。

これは大変なことですが、でももしかしたら内心、

「どうせ海(日本海)に落ちたんでしょ?だったらそんなに騒がなくてもいいんじゃね?」

って思ってる人がいるかもしれません。

 

発射のことばかりに気を取られていますが、北朝鮮のミサイルが日本海に落ちた後ってどうなるか考えたことありますか?

今回は「ミサイルが海へ落ちた後の影響」について調べてみました。

 

【先に結論】

ミサイルの燃料は超猛毒で、海への汚染が凄まじいです。

報道されていないだけで、確実に海洋生物への影響はあります。

 



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燃料のジメチルヒドラジンは猛毒

ジメチルヒドラジンって聞いたことありますか?

実は北朝鮮のミサイル発射実験で、数年前から一部で問題として取り上げられていました。

なぜか、近年はほとんど聞きませんが…。

 

このジメチルヒドラジンは、ミサイルの燃料に使われています。

で、これが生物には超猛毒!

そうです。

ミサイルと聞くと「爆発」による被害を思い浮かべますが、それに使われている燃料も危険なのです。

 

ジメチルヒドラジンは、少し皮膚に付いただけでただれてしまい大ヤケドのような状態になります。

しかも、発がん性も指摘されている物質なんです。

もちろん、こんな物質を吸いこんだらどうなるか想像できますよね?

すぐに呼吸困難を起こして死に至ります。

その致死量は0.1ミリグラムと言われているぐらい猛毒なんです。

 

例えミサイルの発射「実験」でも、すでに甚大な海洋汚染が進んでいるわけです。

「陸地じゃなくてヨカッタ…」では済まされません。

 

もともと技術力のない北朝鮮がやっているので、コントロールミスで陸上にミサイルが落ちてきたらどうしますか?

日本の上空で爆発したらどうなりますか?

ジメチルヒドラジンが、市街地にまき散らされてしまいます。

 

そうでなくとも、海上では多数の漁船が漁を行っています。

ミサイルが直撃する可能性もあるし、失敗して空中で爆発すればその破片が周囲に飛び散ります。

これってヤバくないですか?

 

被ばくも避けなければなりませんが、ジメチルヒドラジンは「即死」の危険性がある物質です。

実際、過去には多数が死亡する事故が起きています。

例えば旧ソ連や中国で、ロケットの打ち上げに失敗して数百人の死者が出ました。

やはり爆発すると燃料が飛び散り、とんでもない被害が出るのです。

 

じゃ、現在の日本のロケットや人工衛星の打ち上げも同様に危険か?と言えば、そうではありません。

今日の世界では、より安全な液体水素と液体酸素へ移行しているからです。

ただこれらは管理が難しく、北朝鮮には無理のようですね。

コストもかかるので。

環境や人体への影響なんか考えない北朝鮮は「とにかくミサイルが都合よく飛べばいい」なので、ジメチルヒドラジンでも平気で使うのです。

 

尚、ジメチルヒドラジンは、日本では厳重な管理と取扱いが求められる「劇薬」に指定されているほどです。

そんなものが、自分の頭上を飛んで行くかもしれないのです。

北朝鮮のミサイル発射実験には、もっと真剣に向き合うべきだと思います。

 

赤煙硝酸も毒性が強い

危険なのは、ジメチルヒドラジンだけではありません。

まだまだヤバい物質を、北朝鮮のミサイルは使っています。

それは、赤煙硝酸(せきえんしょうさん)という物質です。

酸化剤として使われるのですが、これも毒性が強く生物に悪影響を与えます。

 

ミサイルは、燃料を燃焼させなければ飛んで行きません。

燃焼させるには、十分な酸素が必要です。

そしてミサイルは高い高度を飛んで行きますが、上空は空気が薄いですよね?

となると十分な酸素がなく、うまく燃料が燃えないのです。

そこで酸化剤の赤煙硝酸を使うわけですが、これが海洋への悪影響の原因になっています。

 

現在は、ロケットの酸化剤として赤煙硝酸と使っている国はないですが、北朝鮮のミサイルには使われていると言われています。

ミサイルが海へ落下することにより、環境破壊が行われているのです。

 

もうひとつ、赤煙硝酸を使うメリットがあります。

それはなんと、赤煙硝酸は燃料と混ぜるだけで発火するのです。

赤煙硝酸は、空気に触れるだけで煙が出るぐらい発火しやすいのです。

 

ということは、ミサイルに点火装置が要らないってことですよね?

これは、コスト面でも技術面でも大きなメリットになります。

北朝鮮が赤煙硝酸を使う理由が、何となく分かりますよね。

 

【まとめ】海洋汚染は進んでいる

北朝鮮が打ち上げているミサイルは、60~70年代の旧ソ連の技術です。

環境や生物への影響など顧みない国ですから、コスト優先、打ち上げ優先で実験を繰り返しています。

その燃料には、ジメチルヒドラジンと赤煙硝酸という、超猛毒の物質が使われていることを周辺諸国は忘れてはいけません。

 

今まで北朝鮮が打ち上げたミサイルは、100発前後と言われています。

確実に日本海は、ミサイル実験によって汚染されているのです。

福島原発の汚染水は注目されているのに、なぜかこのミサイルによる海洋汚染はスルーされがちです。

日本政府は、もっと厳重に対処しなければならないのではないでしょうか。




北朝鮮

Posted by ちたま