車の冷却水の補充や交換はいつ必要?減少や漏れの原因を解説!

2024年1月17日

自動車にとって欠かせない、重要な液体の一つが冷却液です。

この冷却液は様々な名称で呼ばれ、その耐用年数の長さから交換の必要性が低いため、詳細を知る人は多くありません。

この記事では、整備の専門家が冷却液の交換時期やその機能、取り扱いについて解説します。

後半ではリザーブタンク内の冷却液が、増加する理由についても説明します。

 

冷却液=別名クーラントやラジエーター液

冷却液には多数の呼称がありますが、機能は同じです。

・冷却液

・エンジン用冷却液

・クーラント液

・エンジンクーラント

・長寿命クーラント

・ラジエーター液

・LLC(Long Life Coolant)

またメーカーによっては異なる名称を使用することもあります。

 

冷却液の役割はエンジンを冷やす

冷却液の主な目的は、エンジンの冷却です。

また、車のヒーター(暖房)のシステムは温まった冷却液を内部に導入し、温風を生成するための風を送り込みます。

これはハイブリッド車や電気自動車のシステム(モーター)の冷却にも利用されます。

 

例えば、オートマチックトランスミッションフルードを冷やすオイルクーラーや、ターボチャージャー搭載車の吸入空気を冷却するインタークーラーにも、水冷式の冷却液が使用されることがあります。

冷却液はどの車にも不可欠です。

 

水ではなく冷却液が使われる理由は、水では高温時に気泡が発生したり、長期間の使用で冷却システム内に錆や腐食が生じるリスクがあるためです。

また氷点下の環境で冷却液が凍結しないようにすることも、重要な機能の一つです。

そのため冷却液には防錆、消泡、防腐、凍結防止などの特性が備わっています。

 

車検毎の交換が基本だが現代の車では長持ち

一般的に車検の際(2年に一度)に冷却液の交換が推奨されます。

しかし現代の国産車では、長寿命化された冷却液が広く使用されています。

新車を購入した場合、平均約7年の所有期間中に交換する必要がないほど、持続することが多いです。

国内主要自動車メーカーが推奨する、LLC(Long Life Coolant)の交換時期は以下の通りです。

 

・トヨタ:7年または16万km

・日産:7年または16万km

・ホンダ:11年または20万km

・マツダ:9年または18万km

・スバル:11年または22万km

 

補充のタイミングについて

通常、漏れがなければ冷却液は、大幅に減少することはありません。

多くの車オーナーは、車検やその他の定期メンテナンスを整備工場で行いますが、整備士が冷却液のチェックをすることが最も効果的です。

それでも心配な場合は、半年毎に冷却液のレベルを確認し、必要に応じて補充することを推奨します。

 

部品の劣化や不具合が漏れの主な原因

冷却液の漏れは、主に部品の劣化や不具合に起因します。

冷却システムには、ゴムや樹脂製の部品が使用されており、時間が経つにつれて硬化し、ひび割れを引き起こすことがあります。

また、金属部品も錆による穴開きや、接続部の問題により液漏れが発生することがあります。

 

甘い匂いと色付きの水で漏れを特定

冷却液は独特の甘い匂いを放つため、車の近くで異常な甘い匂いを感じたら、冷却液の漏れを疑うべきです。

特にエアコンを使用して外気を導入した際や、ボンネットを開けた時に匂いを確認するのが良いでしょう。

 

さらに冷却液には緑、赤、青などの色がつけられていることが多いです。

これらの色の水たまりが車の下に見られる場合や、エンジンルーム内に飛び散った跡がある場合には、冷却液の漏れの可能性が高いです。

車の冷却液量は、サブタンクや冷却液タンクに設定された「FULL-LOW」や「MAX-MIN」といった目盛りを基準にして補充します。

このタンクは通常、樹脂製で、容量の目安がはっきりと示されています。

【前提】自分での冷却液交換は推奨されない

冷却液の交換には、専門知識と適切な道具が必要です。

間違った交換は、エア抜きの不十分さによるエンジンのオーバーヒートのリスクを伴います。

また、冷却液は産業廃棄物に該当し、排水溝や道路への流出は違法です。

これらの理由から、自分での冷却液全量交換は推奨されません。

ただし、サブタンクへの少量補充は可能ですが、水だけでの補充は避け、専用の補充液を使用することが望ましいです。

作業を行う際は、正確な知識を持ち、適切に対応することが重要です。

 

冷却液の補充手順

1. 冷却液を用意する(緊急時は水も使用可)。

2. 補充するサブタンクまたは冷却液タンクの位置を確認する。

3. エンジンと冷却液が冷えた状態であることを確認する。

4. 「FULL-LOW」または「MAX-MIN」の間の適切なレベルに冷却液を補充する。

 

エンジンと冷却液が冷えている状態で作業を行う理由は、温度によって液量が変化するためです。

またタンクにはラジエーターキャップ一体型とタンク単体型があります。

一体型ではエンジンが温まっている時にキャップを開けると、高温の冷却液が噴出する危険があるため、必ず冷えた状態で行います。

単体型の場合は、誤ってラジエーターキャップを開けないよう注意し、タンクのキャップのみを開けて補充することが重要です。

冷却液が漏れ出すリスクがあるため、慎重に作業を進めましょう。

 

冷却水を多く入れすぎた場合の影響

冷却水は、他の自動車用油脂と同様に、適切な量が重要です。

不足は問題ですが、過剰な量も好ましくありません。

冷却水を多く入れすぎると、水が温まり膨張する性質のため、タンクから溢れる可能性があります。

これによりエンジンや他の部品へのダメージや、路上での液体の流出など、さまざまな問題が生じる可能性があります。

 

水道水は錆や凍結のリスクがある

冷却水として水道水を使用することは、応急処置に限られます。

例えば、冷却水が漏れた場合に整備工場までの一時的な移動や、緊急の帰宅を目的とする際などです。

水道水を長期間使用すると、冷却システム内に錆が生じたり、氷点下で凍結するリスクがあります。

ただし、冷却水の種類によっては、量の微調整に水道水を使用しても問題がない場合もあります。

しかし基本的には、専用の冷却水を使用することが推奨されます。

 

冷却水のメンテナンスは専門家に任せるべき

冷却水のメンテナンスは重要ですが、問題がない限り、信頼できる整備工場に任せるのが最善です。

間違った補充によるトラブルは、車のオーナーにとって重大な問題を引き起こす可能性があります。

自分でチェックや補充を行う際は、車のトラブルや火傷、怪我を避けるために慎重に作業を行うことが大切です。

車の取扱説明書をよく読み、必要であれば整備工場のスタッフに正しい手順を教えてもらうことを推奨します。

適切な手順と注意を払うことで、安全かつ効果的なメンテナンスが実現します。

 

冷却液はラジエーターとタンクを行き来する

ここではラジエーターと、リザーブタンクの相互関係について説明します。

水冷式エンジンを備えた自動車の、冷却システムの核となるのはラジエーターです。

ラジエーターの上部には、ラジエーターキャップが設置されています。

これは単に蓋としての機能だけではなく、圧力調整のための弁としても機能します。

通常は冷却液が100度を超えて沸騰しないように、加圧状態を保ちます。

 

しかし、エンジンが高温になり水温が急激に上昇した状態で、そのままキャップが圧力をかけ続けていると、冷却液が流れるホースや接続部分などの弱点にダメージを与え、液漏れを引き起こす可能性があります。

そのため圧力が一定の限界を超えると、ラジエーターキャップは弁を開いて、100度以上の高温の冷却液をリザーブタンクに逃がします。

 

そしてエンジンが通常の温度に戻ったり、停止して冷却されると、ラジエーター内の圧力が減少し(負圧が発生)、リザーブタンクに移動した冷却液が再びラジエーターに吸い戻されます。

この際にもラジエーターキャップは、弁の調整を行います。

 

このプロセスによって、ラジエーターとリザーブタンク間で冷却液が行き来します。

これが正常な状態です。

しかし、リザーブタンクに移動した冷却液が元に戻らない場合は、どのような状況なのでしょうか?

 

 

タンクの液量増加は漏れの可能性がある

リザーブタンクには通常「High」と「Low」という二つの目印があり、冷却液は普段これらの目印の間に位置します。

しかし、時折前述のプロセスによって、「High」ラインを超えるほど増加することがあります。

通常、エンジンが冷えた際にはリザーブタンクからラジエーターへ冷却液が戻るべきですが、場合によってはリザーブタンク内に残ることがあります。

この現象は、冷却系統のどこかに亀裂や穴が生じて、冷却液が外部に漏れ出している可能性を指摘しています。

 

リザーブタンクへ移動した冷却液は、エンジンが冷却されてラジエーター内に負圧が発生すると、通常はこの負圧によりリザーブタンクから吸い込まれます。

しかしホース等に亀裂がある場合、そこから空気が吸い込まれてしまい、リザーブタンク内の冷却液は戻らずに残ってしまうのです。

このためリザーブタンク内の冷却液が通常より増加し続ける場合は注意が必要です。

 

この状況では、専門家によるチェックが不可欠です。

車の冷却システムに発生する問題は、エンジンのオーバーヒートや過冷却を引き起こし、深刻なダメージを与える可能性があります。

修理費用は数十万円に達することもあり、早期に専門家に診てもらうことが推奨されます。

 

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