車の暖房から冷たい風が出て来て効かない!オーバーヒートしそうになった体験談!

2020年10月17日

今回は、車の暖房から冷たい風しか出て来ない!」というトラブルについて考えてみます。

実は僕、過去に「暖房が効かなくなったな~」ってそのまま乗っていて、危うくエンジンブロー(エンジンの重大な故障)する所でした。

まあ、いわゆるオーバーヒートってやつです。

 

「車の暖房が効かないだけでオーバーヒート?なんで??」

って思っちゃいますが、甘く見ていると大変なことになりますので、ぜひ一読して頭の片隅に入れておいてください。

 

【先に結論】

車の暖房の温かい風は、熱せられたクーラント(冷却水)に風を当てて発生させています。

暖房の風が冷たいということは、クーラントが正常に機能していない…。

つまりエンジンを冷やしていない可能性があり、結果としてオーバーヒートになってしまいます。

 

車の暖房が効かなくなったら車屋に見てもらった方が良い

車の暖房は、様々な部品により温風が送られてきます。

サーモスタット、ラジエーター、ヒーターコア、ウォーターポンプ、冷却水、水温センサー…。

他にもたくさんありますが、どれかひとつが故障しても暖房から冷たい風が出て来てしまったり、もしくは風すら出て来なくなります。

 

ここで、僕からの注意喚起です。

車の仕組みに詳しい人なら、大丈夫だと思います。

しかしそうではない人は、もし暖房の風が冷たくなってしまった場合は、とりあえず車屋さんに見てもらうことをおすすめします。

 

冷房(クーラー)が故障した時は、皆さんガソリンスタンドなりですぐに点検してもらうと思います。

真夏の車内で冷房が効かないと、死活問題だからです。

でも、中には「暖房が効かなくても厚着すればいいや。別に我慢できるし」って言う人もいますよね。

もしかしたらこの判断がオーバーヒートにつながってしまい、最悪は廃車になる可能性だってあるのです。

 

車の暖房はエンジンの廃熱を利用して暖かい風を出している

なぜ、暖房が効かずに冷たい風の状態のまま放置すると、オーバーヒートしてしまうのか?

それは、暖房から暖かい風が出て来る仕組みを知れば、理解できると思います。

 

車のエンジンは、燃料を燃やすと内部は約800度という超高温になります。

そのままではエンジンは熱で壊れてしまうので、クーラント(冷却水)でエンジンを冷やす必要があるのです。

 

冷却水がエンジンの熱を奪うことでエンジンが冷やされますが、今度は冷却水自体が高温になります。

このままでは、冷却水はエンジンを冷やし続けることができないので、ラジエーターで冷却水を冷やします。

冷やされた冷却水は、再度エンジン内を循環して冷やす仕組みになっています。

エンジンルームではこれがグルグル繰り返されているわけですね。

 

カンタンに言えば車の暖房は沸騰した冷却水に風を当てて温風を発生しているのです。(エンジンの廃熱を利用)

決して、ストーブのような暖房器具が内蔵されているわけではありません。

※電気自動車には、燃焼エンジンがなく冷却水を必要としていないため、暖房はバッテリーの電気を利用して熱を発生させています。

ここで僕が書いているのは、ガソリンやディーゼルエンジンの車のことです。

 

暖房の風が冷たいと言うことは冷却水に異常がある可能性

暖房から風自体が出てこない場合は、単にファンモーターやスイッチが故障しているだけかもしれません。

でも、風は出て来るけどその風が冷たい場合は、ちょっと気を付けた方がいいです。

先ほど説明したように、車の暖房は高温になった冷却水に風を当てて温風を発生させていますが、その熱源である「冷却水がない」、もしくは「冷えたまま」という異常な可能性があるからです。

大きく分けて、次の2つの故障の可能性があります。

 

 

冷却水が漏れてなくなると暖房から冷たい風しか出なくなる

これは、僕が実際体験したことなんですが、助手席から突然水が滝のように流れてきたことがあります。

グローブボックスの奥(裏)辺りから、ジャーっていきなりです。

初めは「???」でしたが、車を停めて車屋さんに電話して聞いたところ、どうやらヒーターコアから冷却水が漏れたらしいとのこと。

ヒーターコアとは、この中に冷却水を通して風を当てて温風を発生させる、まさに暖房の要となる部品です。

ここから冷却水が漏れてなくなるわけですから、当然暖房を付けても”ただの送風”になり冷たい風しか出なくなるのです。

 

ヒーターコアから冷却水が漏れるって、超ヤバくないですか?

冷却水が助手席にダダ漏れってことは、誰がエンジンを冷やしているのでしょうか?

800度のままだと、確実にオーバーヒートしてぶっ壊れます。

すぐにエンジンを切って、車屋さんに電話して聞いて良かったと思いました。

そのまま気にせず(?)走り続けていたら、水温計が振り切って気が付いた時にはエンジンブローしていたことでしょう。

 

ヒーターコアは車内にありますが、冷却水はどこから漏れるか分かりません。

古い車は、ラジエーターからよく漏れます。

エンジンルーム内は高温なので、冷却水が漏れてもすぐに蒸発してしまい気が付かないことも…。

停車中に漏れれば駐車場の地面にシミができるので、日頃からチェックしておくことも大切です。

 

※冷却水には色が付けてあり、トヨタは赤色、その他緑色や青色のメーカーもあります。

ティッシュペーパーで吸ってみると、エアコンの排水(透明色)なのか冷却水なのか、もしくはオイル系(黒色)なのか分かりますよ。

 

 

ウォーターポンプが故障すると冷却水が循環しなくなり冷たい風しか出なくなる

タイミングベルトって、聞いたことありますか?

切れるとエンジンが壊れてしまうベルトなので、10万キロで交換するのがひとつの目安になっています。

このタイミングベルトとついでに一緒に交換するのが、ウォーターポンプです。

 

ウォーターポンプは、冷却水を循環する役目を果たしていますが、故障すると冷却水が循環しなくなりエンジンを冷やすことができません。

冷却水は、エンジンの熱を奪えないので冷たいままです。

冷たい冷却水に風を当てても、冷たい風しか出ませんよね?

これが「暖房から冷たい風しか出ない!」という原因なんです。

 

 

ヒーターコアが詰まると運転席側(助手席側)だけ暖房が効かなくなることもある

「暖房の効きが悪いんだけど、運転席(助手席)側だけ効きが悪いんだよね…」

という症状の車もあります。

高級車なら、エアコンの温度設定が左右独立している車種もありますが、一般的には温度設定は共通しています。

 

何で片方だけ、暖房の効きが悪いのか?

これにもいくつかの原因が考えられますが、単にフラップという風の流れを切り替える”板”が故障しているケースや、サーモスタット(温度調整をする部品)の故障が考えられます。

その他、今回登場したヒーターコアが詰まると暖房の効きが弱くなり、運転席側だけ効かない!といった症状が起こることもあります。

 

ヒーターコアの内部は細いパイプのようになっており、長年乗っていると錆や異物でその経路が詰まり、冷却水がうまく流れなくなってしまうのです。

この場合は、ヒーターコアへの流れが悪くなるだけで、エンジンとラジエーター間に冷却水は循環していますので、とりあえずはすぐにオーバーヒートの心配をする必要はありません。

ただ、今回のようなヒーターコアから冷却水が漏れた時はヤバいです。

 

【まとめ】暖房から冷たい風が出て来るのはエンジンが冷やされていない可能性がある

今回僕が伝えたいのは、車の暖房はエンジンの熱を奪って高温になった冷却水を利用して、温風を発生させているということです。

つまり、暖房から冷たい風が出て来るということは、エンジンの熱を奪えていない(冷やされていない)可能性があるわけです。

車の構造は複雑ですので他の原因も考えられますが、オーバーヒートすると最悪エンジンが壊れますので、すぐに車屋さんに見てもらった方がいいと思います。

 

車の暖房の仕組みを知らないと「修理代もないし、暖房が効かないぐらいガマンするか」ってなりそうです。

でも、この判断がエンジンを壊してしまうかもしれません。

 

表面上は、同じ「暖房が効かない」だけですが、

・風が出ない

・運転席側だけでない

・走ると効きが悪くなる

などその症状は様々であり、原因がひとつだけとは限りません。

 

放置しても、暖房が効かずに単に寒いだけで済むケースもあれば、判断を誤ったために最悪オーバーヒートしてしまうケースもあります。

素人判断するのはリスクが大きいですので、車の暖房の故障は直すor直さないに関わらず、まずは一度車屋さんで点検して原因を特定してもらうことをおすすめします。